サンドブラスト ガラス工芸とは
サンドブラスト中 砂を吹き付けて削る 彫る前と彫った後
サンドブラストはコンプレッサーで圧縮した空気を使って、細かな砂を吹きつけ、
表面を削り落とすことで絵柄などをだす技法です。
ガラス表面は、細かな砂粒があたり”すりガラス”の状態になります。
彫りだしたい絵柄やモチーフはマスキングすることによって
砂のかかるところ(けずる)と、かからないところ(のこす)を作りだして制作します。
彫り方のこだわり
【色のガラス】に彫る場合・・・一般的な彫り方と彫刻的な彫り方の違い
簡単な図案でご説明すると、例えばこちらのちょうちょ。

≪単彫り≫Normal sandblasting
サンドブラスト体験、市販(量産)品、名入れなどで目にする削り方
⤴⤵同じ型紙からつくっていますが、雰囲気がだいぶ違います。

≪当工房での彫り方≫My works
・「ぼかし」
・「段彫り(重なりを表現)」
・「かすみがけ」(やわらかな効果線など)
など
当工房での作品では、柔らかなぼかしを出す技法をいれることで、手彫りならではの風合いをいれています。
花びらの重なりも、鳥の羽も1枚ずつほります 透かして見せるデザインもガラスならでは。
色ガラスは、特殊なガラス生地を使うのですが、市販のグラスに彫ることもできます。
【透明なガラス】に彫る・・・一般的な彫り方と彫刻的な彫り方の違い
簡単な図案でご説明すると、例えばこちらの金魚。

≪単彫り≫Normal sandblasting
サンドブラスト体験、市販(量産)品、名入れなどで目にする削り方

≪当工房での彫り方≫My works
・ぼかし彫り(透明度を微妙に残す)
・沈め彫り
・逆レリーフ(深彫り、立体彫り)など
ふわりと柔らかく入れています 桜の花びらも一枚一枚透明度をのこして 花びらから飲むイメージでオリジナルワイングラス 名入れであなただけの特別なギフト 厚みのある板ガラスは思い切り深く彫りこんで立体感 色漆をかけてもらい、迫力ある作品に
市販生地もガラスの形(美しいライン)や、使いごこち(厚みや割れにくさなど)、機能(食洗器OKなど)にこだわったものを厳選して使用して作っています。
ご希望のガラスに彫ることも可能です。
※ガラスの厚さや凸凹具合、グラスの湾曲具合で難易度や彫り方、彫れるモチーフが変わりますのでご相談ください。
ガラス生地・素材について
被せ硝子(きせがらす)について
色のあるガラスは、ペイントではなく、
2層の硝子でできている「被(き)せガラス」というものです。
表面を削って絵柄を出しています。
赤なら銅で、ピンクなら金で、
ガラスの色は化学反応で作り出された、「ガラスそのもの」の色味なので、
永遠に色あせることなくお楽しみいただけるのが安心です。
切子の素材として使われているものと同じで、当工房では窯元から取り寄せて制作しています。
しくみ
彫る前の被せ硝子江戸硝子工房(田島硝子の様子)
江戸時代から続く伝統工法を用いて制作を続けていると認定されたガラス工房のものが「江戸硝子」「東京都の伝統工芸品」にも指定されています。
江戸硝子の窯元はかなり減少を続けており、現在は数社しかないそうです。
灼熱の窯の下、ひとつひとつ職人が手作業で作り上げていくガラス生地。
サンドブラスト専門の当工房は、生地を受け取り、「加工装飾」する工房です。
そのバトンを受け、お客様のお手元にお届けする前の、最終工程の責任をもって、
私も大切に作り上げたいと心がけ、日々精進しております。
作品づくりの流れをご紹介します

- 下絵準備=ガラスの素材と図柄案、絵の大きさを決定します。
(Drawing )

2.シート制作=専用シート等(マスキング)に転写します。
(Making masks)

3.転写した線を手でカットします。
※文字や飾り枠、細かなモチーフ、再現性の必要なモチーフ、大量生産時などは 機械で正確にカットしたり、専用のUVシートフィルムなど、厚手のゴムなど数種類のマスキングシートを使い分けて制作します。
(Hand or machine cutting)

4.=サンドブラスト工程=先に削る部分をはがして、ブラスト機の中へ ※ぼかし具合は、削られる様子を確認しながら、 丁寧に砂をかけていきます
(Sandblasting in the box)

[左]
モチーフの周りを削り落とします。(通常のサンドブラスト製品はこの工程で終わることが多い。)
[中央]
私は周りのブラスト部分と透明のキラキラ部分との差異が浮かないように、絵柄部分にも砂をかけ、まわりとなじませる
[右]花(実)の部分の丸いところだけ、ピンポイントでぼかし&ハイライトをいれて色をおとし、ナチュラルに仕上げる。
削り落とす厚さはごく薄く、ミリ以下の作業になります。
(I use special sandblasting method to make gradations & overlapping parts)

5 .仕上げに,砂の荒さを変えて表面をならし、
さらに研磨シートを数段階つかって、ひとつひとつ丁寧に磨きをかけて仕上げます。
(※薬品を使用する酸洗いは行っておりません。すべて手磨き仕上げです。)
(Polishing by Hand ,Never use chemical polishing for your health)

底の金魚は立体彫り。光が入るとよりきれいに映える。

6.最後のラッピング包装まで大切にしています。
お誕生日のお祝いや、結婚、還暦、退職祝、開店お祝いなどご用途を教えていただければ、それに合うような包装をさせていただいていますので、ぜひご用途も教えてください。
(Special wrapping for you)
木箱は、奈良県吉野でてづくりのもの。 割れないようにひとつずつ包んで送ります 水引は好みの色が選べるよう手作りで 母の日は、カーネーションに見立てて プチギフトもかわいく 特に指定がない場合は、男女を問わない色味で。
添えるシールやオーナメントの演出も楽しみながら、ラッピングしています
メイキング動画 ご紹介(2分16秒)
彫る前のグラス→マスキング→サンドブラスト削りだし→段彫り→
サンドブラストとの出会い
サンドブラスト加工は、数千年の「ガラスの歴史」の中では比較的最近のもの(1800年代後半)です。
名入れや簡単なすりガラス模様でしか認知されておらず、
ガラス工房にはどこにもおいてはあるものの、
実際に工芸といえるような複雑な加工をしているところは多くないようです。
私が、初めて体験教室で行ったところは、
サンドブラストを「工芸」として地位を高めたいと研究・開発活動されている教室でした。
何も知らずにネットで見つけて訪れたのですが、
はじめてでも、かたちになるサンドブラストの手軽さはもちろん、
表現方法の多様性や奥深さ(難しさ)にもふれ、
非常に興味深く色々な可能性を感じさせてもらいました。
作品作りは名入れや単彫りだけではないものをお届けしたい。
ひとつひとつ職人さんが手造りで吹いて作った「ガラス生地」を最大限活かしたものが作りたい。
という思いで制作しています。
何度も砂をかけなおし、圧力を都度調整しなおし、透かし見る色合いの変化を敏感に感じ取ることで、繊細な彫りを可能にしています。
サンドブラスト技法を主軸に、ガラスの生地作り、ステンドグラスなどの光と色を駆使したガラスの表現技法も勉強中です。
気に入っていただける作品が作れるよう、今後もチャレンジしていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。
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